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【3DCG】3DCG+模型・2008年動向 [3DCG模型関係]

ちょっと早いけど、2008年の3DCG+模型の展開についての動向をまとめてみたいと思います。

エポックメイキングと思われる出来事は以下のあたりになるかと。


1.ABS樹脂積層による立体出力サービス開始(2008年4月)
2.Z-Printerによる色付き粉体積層立体出力サービス開始(2008年7月)

 そうです。いずれもお世話になっている秋葉原のtkls社さん所の出来事なんです。(汗)

 が、2.のZ-Printerによる色付き立体サービスの開始は確実に2008年の注目すべき出来事
 でした。
 これによりリーズナブルな価格で3DCGデータを彩色済みの立体物に出力する道が
 個人ユーザーに開かれたわけです。このサービスを利用して色付きフィギュアを出力された方
 をネット上で少なからずお見掛けするようになりました。

 実際私もこのサービスを利用させていただいて、以下の鉄道模型を出力させて頂きました。
 (^^)
 その顛末は最近刊行された鉄道模型雑誌「TRAIN MODELING MANUAL Vol.2」の
 P.95-97に掲載させて頂いております。

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 3DCGによる立体模型制作の試み(個人的には"3DCG+模型"と呼ぶことにしてます)は、
 まさに2008年に始まり、これからますます広がりを見せることと思います。

3.「初音ミク」+「ニコニコ動画」特需発生!
  3DCGコンテンツだけでなくアプリケーションまで波及!

 2008年に一番目をむいた出来事はコレですね。
 2007年9月に登場した人工歌声作成ソフト「初音ミク」の登場により、ニコニコ動画にその歌声
 動画が次々に発表され、毎週新作をランキングしても追いつかない数の作品が今日もネット上
 にあふれています。
 この歌声というか音楽作品に3DCG映像のPVがついたのは非常に早い時期からでしたが、
 そのために3DCG制作者掲示板「3DCG@七葉」が初音ミク3DCGデータ発表&制作公開の場
 としてにわかに活気付きました。

 さらには2008年2月、「振り込めない詐欺」という忘れられないタグを生み出した名作ツール
 「MikuMikuDance」がネット上で公開され、
 3DCG初音ミクを動かすためにIKとボーンを駆使した高度なアニメーション制作ツールをタダで
 利用することが出来るようになりました。
 そして2008年8月、MikuMikuDance利用者有志が作品を競い合う「第1回MMD選手権」が開催
 され、歌だけではなく動画も楽しめるコンテンツとしての充実振りを世に知らしめることになったの
 です。

 この勢い、我々がNIFTY-Serveから連綿と続けてきたネット文化の勢い10年分をたった半年で
 実現したに等しいと言えます。
 この「初音ミク特需」という現象のおかげで、それまで元気が無かった3DCGコンテンツ分野が
 久しぶりに活気を取り戻した事は特筆に価する出来事だと思います。

4.AR(拡張現実感)技術の登場:

 AR(Argumented Reality)すなわち拡張現実感という言葉はまだ一般に浸透しているものではあり
 ませんが、要は「3DCGと現実空間を共存させるための技術」でもっと平たく言うと「デジカメを使って
 撮影した映像に、あたかもそこに存在しているかのように3DCG形状モデルを合成表示する」ための
 プログラム手法ということになります。

 実を言うと2008年になるまでは自分自身も未知のテクノロジーでした。
 技術デモは2007年の6月に以下のサイトで公開されていたのですが、
 2008年の初期にニコニコ動画の「ニコニコ技術部」のタグで、これまた初音ミクの3DCGポリゴンデー
 タを使って実際にデジカメで撮影した現実空間との合成デモ映像が公開されるやにわかに注目され、
 派生作品が瞬く間に作られてそれらの動画を見ることが出来るようになりました。

 これを可能にした技術が詰まったソフトウェアライブラリ「ARToolKit」はGPLの条件の下で
 無償公開されたのですが、一部の企業がこの技術ノウハウを参考(?)に.NET Framework準拠で
 独自開発したと主張して、「電脳フィギュア"A●is"」という商品名で先月発売開始しました。
 ・・・が、パッケージ内にCDROMは入ってないわダウンロードしたプログラムはまともに動かなかっ
 たりした(※現状では改善されてるらしい)わで大変な話題を振りまいているようですが
 それはまた別の話。(汗)

◎総括:

3DCGはTVアニメーション作品ではエフェクトの一部となって「入っててあたりまえ」の時代となり、
家庭用TVゲーム分野ではハイポリゴン化と質感表現の高度化が進んで、実写的なテイストが半ば
常識化してしまっており、ハンパな技術力と表現力しか持たないプロダクションでは太刀打ちできな
い時代となり、

さりとてPC分野では、相変わらずプロ以外相手にしない3DCGツールと、その表現力に肉薄するべく
死力を尽くしている低価格ツールの勢力地図は変わらず、ユーザーは依然として3DCGの利用意義
を見出せずに放置状態が続いている状況だったわけですが、

「3DCG+模型」の登場によって3DCGが実物模型制作ツールの一種類として認識され始めたという
点で今年は意義がある年になったのではないかと思います。

私自身は長年3DCGが模型になるかどうかを研究してきたのですが、
基本的に絵に描いた餅である3DCGコンテンツを模型と同等に愛好するには、
ビュワーを超絶的に進化させるかAR技術との強力なコラボレーション機能を装備するなどが考えられ
ます。

しかし、
それでもやはり「現物模型が製作出来る」というリンクがなければ一般の人には魅力は無いでしょう。

ということで、来年に向けてより3DCGコンテンツを隆盛にするべく
私もソフトウェア技術で積極的に側面支援していきたいと考える次第です。

「Masterpieceプロジェクト」にご期待ください!

シェーダーって、おいしいの? [3DCG模型関係]

最近のリアルタイム3DCGコンテンツやその表示プログラム開発において、避けては通れない技術的関門。それがシェーダーです。

シェーダーと言っても宇宙刑事のことじゃありません。
(わたなべさんゴメン!)

元々はPIXARという3DCGで映画を作る会社(本来は画像解析とそのための画像処理コンピュータPixar Image Computerを製造販売していた会社でしたが)が、自社で開発した映像作成プログラムReyes上でサポートしていたシーン記述言語であるRENDERMAN上で定義される物体表面質感再現方程式の実装方法として発案されたと思われますが、ひょっとしたらそれ以前のSIGGRAPHの論文で先にアイデアが出ていたりするかも知れません。

…ここまでごちゃごちゃ書いてて思うけど、上の文章って「何のこっちゃ意味わからん!!」と言ってる人多そうな気がします。(うちの嫁さんには華麗にスルーされる予感。(汗))

まぁとにかく、RENDERMANというシーン記述言語(実体はC++言語のソースっぽい)の中で定義される、形状の色や質感・あるいはテクスチャマッピング処理を実行するための記述言語として提供されていたのが「シェーディング言語」であり、略してシェーダーと呼ぶようになったのですが、いかんせんRENDERMANをいじるためにはプログラマの力が必要なため、日本ではRENDERMANを利用して作品を作る人達は非常に限定される傾向にありました。

…などと書くと、この日記には何人か真のRENDERMAN使いが見てるのでどんなツッコミが来るかガクブルなんですが、RENDERMANに触れないことにはシェーダーの話も書き出せないのでご容赦を。
(一応「実践CGへの誘い」を見ながら書いてます。>関係者各位)

と言う訳で今までシェーダーという専門用語は日本ではごく一部の人間しかしゃべらない用語だったのですが、21世紀に入って家庭用ゲーム機の処理能力が爆発的な進化を遂げる(平たく言えばPS2が登場したころやね)時代に至って、シェーディング言語という発想が見直されてグラフィックチップの機能として提供されるようになったのです。

※このあたりの経緯はマイミクのzenjiさんの連載記事が非常に詳しいです。→http://journal.mycom.co.jp/column/graphics/001/index.html


で、歴史書くだけですっごく行数食ったのですが、今回私が書きたいことは経緯の話ではなくって、果たしてシェーダーって一体どれだけの3DCGモデラーの人に意識され、使用されているかってことです。

はっきり言って私の周りのモデラーさんでシェーダーを意識されている方は数名の「神」クラスの人たちに絞られます。
もしくは、家庭用ゲーム機向けの3DCGキャラクターモデリングをされている人たちくらいしか意識している方はいないでしょう。
そもそも現状のモデリングツールでシェーダー言語に直接影響を与えるコード込みでデータを吐き出すフォーマット(具体的にはCOLLADA)を扱えるのはMAYAとかMAX,SOFTIMAGEくらいです。
それに、シェーダーに影響を及ぼすパラメータを出力しても、肝心の3DCG形状データを表示するプログラムがそのパラメータに対応していなければ画面上で再現することはできません。

といいつつ、最近のDirect3Dにおける3DCG表示処理の流れは既に固定パイプライン処理を棄てていて、全てをシェーダーによるGPU内ソフトウェア処理だけで3DCGイメージの生成を完結させる方針になってきています。

そう考えると、そろそろ日本にはゲーム用の3DCGエンジンとは別に、単に3DCG形状やアニメーションを再生するためだけのシェーダー処理ベースの3DCG描画エンジンプログラムが必要なのかも知れません。それをニコニコ動画ユーザーに使ってもらえるように整備・開放したら、その時こそシェーダーがおいしいモノとしてクリエイターに認識される時代になるのかも知れません。

といっても、シェーダーの役目って金属質感の強調とか影の演算とかHDR(ハイダイナミックレンジ)表現の付加とかだけじゃなくて、地味だけど重要なディスプレースメントテクスチャによるポリゴン形状のディティールアップなんて機能ももっと重要視されるべきだと思います。

と言うか、その辺を重点的にヤりたいんだよなぁ。(汗)

もっと言うとDirectX11のDirect3D機能になるけど、ジオメトリシェーダーによるリアルタイムサブディビジョンサーフェイスとかは勝利の鍵とか勝手に思ってるんですけどね。


あー、ここまで来るともはや妄想なので、
知らない人から呆れられても返す言葉もございませんが。(^^;)

VOCALOIDとポリゴンモデルの価値。 [3DCG模型関係]

VOCALOIDの登場により、昨今ニコニコ動画上ではVOCALOID関連の映像コンテンツの増殖の勢いが止まりません。
これはもうITコンテンツ界におけるビッグバンとして歴史に記録すべき現象だと思います。

そんな中で急に3DCGにも注目が集まり始めました。

もともと3DCGで漫画やアニメのキャラクターを作るというムーブメントは10年以上前に存在しましたが、現在では家庭用ゲーム機におけるげーうキャラクター作成や、一部のTVアニメ用のキャラクターアニメーション作成のために作られる程度の需要しかなくWeb上ではしばらく3DCGの話題は下火になっていました。

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