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1970日本万国博が私に植えつけたモノ [オタク文化論]

いきなり30年以上前のイベントをテーマに持って来てしまってスミマセン。

実は先日、うっかり以下のサイトを見つけてしまって以来、
ずっと頭に浮かんでいた事をお話ししたいと思ったのです。

◎追想 日本万国博覧会
http://expo70-web.hp.infoseek.co.jp/

私は1970年の万博開催当時は小学校2年生だったので、小学校の遠足や家族で万博を見に行きました。
その当時の万博会場のイメージはかなり記憶の中から薄れてはきましたが、今でもアメリカ館の月の石の展示やソ連館のソユーズの展示、そしてテーマ館だった太陽の塔の内部をかなりはっきりと記憶しています。

その記憶がかなり確かだったことが、上のサイトを見ることで検証できました。


…べっ、別に小さい時は記憶が良かったとか自慢したいんじゃないんだからねっ!(ぉぃ

もとい、
私にとって万博は忘れようとしても忘れられない体験でした。
大阪の千里丘陵に、突如として「未来」が光臨してきたと言ってもいいぐらい、突飛で日常からあまりにもかけ離れた空間がそこにあったのです。

その未来は永劫に続いて、自分たちを楽園に誘ってくれるような気分にさせてくれました。見るものすべてが新鮮な驚きを伴っていました。
むしろ見るものすべてがそのまま脳に焼き付いてしまったに等しい状態でした。人間という生き物は、感動を伴って起こった事象はなかなか忘れないものです。

そうして自分には万博を通じて未来のイメージが刷り込まれてしまったのです。


これは、
今考えるにオタク第1世代と言われる人間が共通で持つ体験なのではないかと思います。

万博に行く行かないはともかくとして、1970年はまさに日本全土が万博で一色に染まった年でした。この時、万博が老若男女問わずに日本人に与えた未来的なイメージの情報量はすさまじいものがあったと思います。

その結果、自分の場合は万博を通じて「コンピュータとは何か?」を小学2年生のころから興味を持つようになってしまい、図書館で本を借りたり電子江作雑誌(当時なら「初歩のラジオ」や「ラジオの製作」※)に載っていたディジタル回路(←当時の書き方です)を興味を持って読み漁ったりしました。

※「無線と実験(現MJ)」もありましたが、子供時代には難しくて
 読めませんでした。(汗)
 もっとも、子供時代にデジタル回路のイロハなど理解できるはずもなく、
 大学に入ったころにようやくデコーダ回路やフリップフロップ回路の
 原理を理解できた(というかTTLの存在を知った)位です。
 (回路の名前くらいは覚えていた程度でした。)

で、強引に結論に結び付けようと思うのですが、
80年代の第1世代オタク文化の揺籃期には、万博の頃に子供時代の我々が受けた文化的インパクトが少なからず影響しているのではないか?と思うのです。

そもそもファーストガンダムの物語の発端になったサイド7のイメージって、「未来住宅」として万博でさんざん見せられたものですし、何より宇宙に人工衛星を建造して住むというシチュエーションというかSF的な話をすんなり受け入れる、またはそのような話を取り留めもなく発想できるアイデアの源泉に、万博での体験(または万博による影響)が大きく関与しているのではないかと思うのです。

それが証拠に、第1世代のオタクによるムーブメントの発生は80年代の初頭に起こっています。

万博が終わった後、自分自身会場の跡地を見て「未来が終わってしまった」と喪失感を抱きました。その想いは万博を体験した世代の人間すべてが感じていたのではないかと思います。
そして時が経って、今度は自分たちで万博を、そして未来を作ろうではないかと、夢を語り夢を形にしようとして動き出したのが、第1世代のオタク達による最初のムーブメントじゃないかと思うのです。


…ここまで書いて気づいたのですが、
これだと80年代オタクブームが打ち立てたモニュメントである
「メカと美少女」のうちメカの部分しか語れてなんじゃないかと思いました。(汗)

さて、美少女の部分はどう説明できるもんでしょうか?(大汗)


それはさておき、自分自身は今でも万博が再来することを願ってやみません。70年万博以降に行われた全ての万博系イベント(花博や愛・地球博など)はどれも70年万博の規模やイメージを凌駕することはできていないと思います。

この心の奥底にある「70年万博への渇望感」が、今も自分を未来に向かわせている原動力になっているのかも知れません。


最後に、1970年日本万国博会場を3DCG化した貴重なWebサイトをご紹介しておきます。

◎PHANTOM OF EXPO
http://www.konoike.org/3d/index.html

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