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新刊キター!! [仕事系]

遅ればせながら、3月27日にやっと処女作が出ます。

「ダンジョンゲームプログラミング」ソフトバンククリエイティブ社刊。
森山弘樹・鷲見健二著、全408ページ。

ISBN-10 4797346280
ISBN-13 978-4797346282
予価 ¥2,980

ということで、宜しくお願いします~。

ゲームやプログラム開発関係者の方は、できればなるべくなんとかして買ってやって下さい。(大汗)

開発関係方面じゃない人も、もし心ある方は一冊記念に買ってやって下さい。
かっこいいサインとかはできないけど、お知り合いの方ならばなんらかの形で著者署名を残します。(超汗)

現代即売会イベント(祭)考(1) [コミケ系イベント考]

昨日に引き続き即売会イベント関係の雑想などを。


即売会イベントと言えば「コミックマーケット」の存在を外すわけにはいきません。

何せ日本で行われるほぼ全ての即売会は、コミックマーケットの運営ノウハウをお手本にして運営されているからです。
というよりも、即売会を自主的に運営したいと思う人は、まずコミックマーケットのボランティアスタッフに参加して即売会運営を直接肌で感じなければなりません。
と同時に、コミケの偉い人たちと知り合い、人的にも様々な支援を受けられるようなネットワーク作りに腐心しなければ、最終的にどんな事態が起こっても機動的に対処できる自主即売会イベントの運営スタッフを育成できません。

しかしコミケの存在のおかげで、
日本ではこの20数年の間に数百人から最大数十万人規模の一般参加者(※1)をさばける即売会イベントが日本国中のあっちこっちで開催できるようになりました。
即売会イベントと言うとコミケを指す人は我々の世代(40代ね(汗))では多いのですが、実際には大阪にもかなりの数の自主運営系即売会イベントが開催されています。

この即売会の乱立は、それぞれがコミケのような大型即売会を目指してお互いをつぶしあう方向で動いている訳ではなく、あくまでコミケやそれに準ずる大型即売会では埋もれてしまうけどそこそこ人間が集まるジャンルに集まる人々が運営ノウハウを得て独立し、それぞれ同好の志を募って定期的に集まってワイワイ楽しもうという趣旨で運営されているのです。

いずれにしても、このような本来の意味での「同人」の集いとなっている小さな即売会が日本全国で行われることで、最終的に日本の同人誌文化を強力に支えているのです。

コミケは「単独で最強」というイベントではない所がコミケを維持し発展する原動力になっているとの認識を持つ必要があります。



そして、
この20年間のコミケ文化の中で、若者達は次第に

「新しい祭のやりかた」

を体得するようになってきました。

コミケは日本の祭のように特定の御本尊を拝し奉るイベントではありませんが、
かつては「米沢嘉博代表」という、今では残念なことに天上の神様になってしまったけれども存命中は文字通りコミケの「顔」として機能しておられた偉大な方がいらっしゃいました。

そしてコミケは米沢代表の懐の深さによって、数多の同人誌を受け入れてそれを発表し頒布する場として長年機能してきました。
この場の運営において即売会の代表たる地位の人は、

「もし会の運営において何かあったら、会を代表して腹を切る。」

ことを肝に銘じて即売会の運営にあたってこられました。

”腹を切る”という言い方は少々物騒ですが、これは責任者として責任を取る=場合によっては警察にしょっ引かれるという意味です。

こうした体制で即売会を運営していることを代表自らが即売会参加者に対して周知させることにより、一種の信頼感を醸成し祭としての一体感を高めることに寄与されていたと思います。

このような依代(よりしろ)による祭の運営形態は日本では古来からある物なのですが、今の世にも通用するだけでなく今の時代にフィットする形で現時点でリアルタイムに進行する祭が存在すことに驚きを感じざるを得ません。


しかも、これがインターネットの世界でも通用していることを証明する人間が、これもまたリアルタイムで存在しています。

具体的に言うと巨大掲示板「2ちゃんねる」と「ニコニコ動画」を運営するひろゆき氏がそれに相当します。彼がコミケに直接的に関係したかどうかについては私の知るところではありませんが、コミケにおける米沢代表の立ち位置に立ち、かつそれを彼自身が理解していると思えます。


反対に、依代を立てずに黒幕化しようとして祭をリアルタイムに失敗させようとしているインターネットのコンテンツ運営会社もあります。

そうです。今あなたが読んでいるSNSがまさにそうなのです。
依代が黒幕と化したとき、祭は失敗するのです。

なぜ失敗することになるのか?
その理由は、今の日本の若い世代が「正しい祭とは何か?」を肌で感じて知っているからに他なりません。

お上が領民に対して投げ与えるものが祭ではないのです。
祭はお上が作り出せるものではなく、祭り上げる人間と同じ目線に立つ者が代表=依代になることで、初めて盛り上がりを見せるのです。

日本では、インターネット技術と言えどもこうした正しい祭によって導かれる時代が来ていると愚考する次第です。(笑)


※1:

コミケをはじめとする即売会では、同人誌を頒布する方も同人誌を購入する方も同じ「参加者」として扱います。両方を参加者とすることで、買う側の人間にも即売会の運営に協力する意識を持ってもらうことができ、最終的にスムーズな会の運営が可能になります。
コミケが60万人の人間を受け入れながらスムーズに運営できているのは、「全員が参加者」という意識の徹底があるからこそなのです。

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