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マルチメディア系即売会考 [コミケ系イベント考]

M3という同人誌即売イベントは、お世話になっている友人の方々が今から10年前に並々ならぬ情熱を傾けてスタートし、そして今も続けて開催されています。

スタート時点ではコミケでのいわゆる「音系」と言われる音楽CDの頒布を目的に活動していた有力3サークルが協力し合って出来たものだけに、他の音楽系サークルから信頼されて発展を遂げています。今ではインディーズにとどまらず音を扱うほぼすべてのジャンルの創作団体が集い、その成果をCDなどの音楽メディアにパッケージして頒布する一大イベントにまで成長してきました。

しかし、その成長の過程で何度かM3のスタッフの人に打診され、果たせなかった課題がありました。

「CGアニメコンテストにエントリーしている映像作家さんに呼びかけて、即売会に参加してもらうということはできないだろうか。」

これについては当初、知り合いの映像作家さんに呼びかけてサークル参加してもらうだけでなんとかなるだろうと思って軽い気持ちで引き受けたのでしたが、実際CGアニメコンテストの上映会場での懇親会に参加してぽつぽつとそういった話を持ちかけてみても、なかなか実際に参加するところまでこぎつけるパターンは少なかったのです。

なぜ映像作家さんにM3が周知されないかと言うと、その理由はさまざまあると思うのですが、昨晩そのことをM3スタッフと討論した後1日たってから考え直すに以下の原因があるのではないかと思えてきました。

(1) M3というイベントが映像作家さんに周知できていない

(2) そもそも映像作家さんはコミケの存在すら知らない人の方が多い

(3) コミケすら知らない、または参加したことがない人が自主的に
  オンリーイベント的な小規模即売会※に顔を出せるかと言うと、
  かなり不安があると思われる

(※現在のM3は、もはや小規模とは呼べないくらいの参加サークル数と
  一般参加者数になっています。)

とりわけ映像作家さんにとって「上映会と即売会、いったいどっちが大勢の人間に自分の作品を周知してもらえるか?」ということが大切なのではないかと思います。

コミケは現時点で世界最大の同人誌即売イベントであるため、コミケにサークル参加することで自分の映像作品を見てもらう機会や作品パッケージを購入してもらえる可能性が非常に高いために、まずそちらに参加する映像作家さんが多数出てくると思えるのですが、現実的には自らサークル参加している方はごく少数にとどまっているのが現状です。

というのも、映像作家さんの中にはコミケをはじめとする即売会イベントへの参加方法を知らない・または経験がないといった人が実はほとんどだったりするのじゃないかと言うのが現状ではないかと思えるのです。
まずはここをなんとかしなければ、映像作家さんにも積極的に参加してもらえるような即売会イベントには出来ないのではないかと思います。

そもそもM3の発端がコミケの中のサークルさん達という所からきているのを考えると、映像系サークルさん達が集まって新しい即売会イベントを…、という流れが発生することこそが正道だと思うのです。

が、実際のところは映像制作系のみならず、3DCGコンテンツ系の人たちですらそうしたジャンル限定即売会の創設に向けた動きは出せませんでした。結局そのジャンルの中で誰かが手を上げない限り、そうしたイベントの創設とサークル参加の誘致は成功しないのではないかと思えます。







ところがところが!

ここにきて「ニコニコ動画」という新しいムーブメントが、膨大な映像作品の発表と批評場所として機能し始め、今まで全く考えられなかったスピードで新たな映像作家を増殖させつつあります。

今回の大阪M3においても、「ニコニコ動画で作品を発表していた◎◎Pさん!」という声があちらこちらで聞けました。私の友人同士においてすら、ニコ動映像作家と有力サークル元代表が私の事務所で知らずに邂逅していたことがわかってびっくりしたという話もありました。

それ以外にも、ニコニコ動画のおかげで3DCGコンテンツが再びリスペクトされてポリゴンデータの利用が見直されはじめたとか、突然ニコニコ動画に新しい3DCGアニメーションツールとその使用マニュアルがアップされて注目を集めたりとか、さらにそのツールを利用して神動画を発表した人が出たりとか、といった現象が立て続けに発生しています。

驚くべきことにニコニコ動画が立ち上がって1年少々という短い間に、我々がパソ通からインターネット利用の現代に至るまでに経験した「パソコン通信文化の発展」を短期間で爆発的に進行させているという事実があり、それが今も続いていることを肝に銘じなければなりません。

来るべき時代のマルチメディア系即売会はニコニコ動画の映像作家にフォーカスを当て、彼らが必要とする技術やコンテンツをやり取りする場を設け、そして作者とコメント職人たちが面と面を向き合わせる場所を作るために苦心していかなければならないと思います。

と言うか、既にニコニコ動画を軸とした即売会やオフラインイベントは次々と実施されてきており、「初音ミク」に代表されるボーカロイド関連作品のオンリーイベントが東京方面で2回目の即売会を開催するという情報もはいってきております。



ということで、そういった動向をつぶさに見つめながらも、マルチメディア系同人即売会の方向を探っていかなければなりません。

なんせニコニコ動画ときたら、1年365日24時間常に映像コンテスト大入満員で多数のコメントが飛び交っている「毎日がコミケ」状態なのですから。(汗)

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